- 両親(自分が喪主では無い場合)は5万円または10万円
- 親戚は1万円または3万円
- 親族以外には5000円が一般的で、多くても1万円まで
- 包む金額(枚数)は、1、3、5の奇数または10になるようにする
- 香典返しを辞退する人が3割
香典相場表(関係性別・参列者の年代別)
関係性/参列者の年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
---|---|---|---|---|---|
両親 | 3万円~10万円 | 5万円~10万円 | 5万円~10万円 | 5万円~10万円 | 5万円~10万円 |
兄弟・姉妹 | 3万円~5万円 | 3万円~5万円 | 3万円~5万円 | 3万円~5万円 | 5万円~10万円 |
祖父母 | 1万円 | 1万円~3万円 | 3万円~5万円 | 3万円~5万円 | ― |
おじ・おば | 5000円~1万円 | 1万円~3万円 | 1万円~3万円 | 1万円~3万円 | 1万円~3万円 |
上記以外の親戚 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 | 1万円~3万円 | 1万円~3万円 | 1万円~3万円 |
友人・その家族 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 |
職場関係 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 |
近隣関係 | 3000円~1万円 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 |
恩師 | 3000円~1万円 | 3000円~1万円 | 3000円~1万円 | 3000円~1万円 | 3000円~1万円 |
親戚に対する香典
両親・配偶者の両親(父母・義理の父母):5万円~10万円
親戚の香典は、両親など近しい人であっても包むものでしょうか。自分が『喪主(もしゅ:遺族の代表として葬儀を執り行う人)』となる場合はもちろん払いませんが、兄弟が喪主になる場合は払うのが一般的です。
お葬式の費用を助ける意味でも、5万円~10万円が相場とされています。
年代別の一般的な金額を見てみると、一般的な金額は
- 40代までは5万円
- 50代からは10万円
ですが、20代または経済的な理由がある場合、3万円からのこともあります。
結婚している場合は夫婦として出し、配偶者の両親(義理の父母)の場合も自分の両親と同じ金額を包むのが一般的です
2011年に行われた調査では、北海道では平均約11万円、東京では約13万円でした。しかし2016年にはそれぞれ約半額になっており、香典の中ではいちばん高い相場ではあっても、時代とともに変わってきています。
なぜ自分が喪主の場合、親の香典を出さないのか?
- 自分が喪主の場合:香典は出さない
- 兄弟・姉妹が喪主となる場合:香典を出す
香典は「家」の単位で出されるものなので、遺族の代表として葬儀を執り行う「喪主」が香典を出すと重複してしまうからです。喪主以外の兄弟・姉妹がすでに家を出て自立している場合、家は分かれているので香典を出します。
すでに家を出た子どもが親の葬儀で喪主になる場合、その「家」の喪主と見なされるので香典は出しません。
兄弟姉妹・配偶者の兄弟姉妹(義理の兄弟姉妹):3万円~10万円
兄弟や姉妹の相場は3万円~10万円で、両親の次に高い香典の相場です。
金額にかなり開きがありますが、年齢別にみてみると以下の通りです。
- 20代~50代は3万円~5万円
- 60代からになると5万円~10万円
データによっては40代から相場は10万円となっているところもありますが、全体的な平均額は4万円弱で、一般的には3万円包まれることが多いです。年代別にみると、40代では3万円ですが、50代からは5万円に上がっています。
60代以上では、2011年には平均額が約9万7000円でしたが、2016年には約4万3000円と半額以下になっていて、時代とともに大きく減っています。
さらに、北海道では2011年に香典で包んだ金額で200万円との回答が2件あり、かなり地域差があります。
配偶者の兄弟姉妹(義理の兄弟姉妹)
義理の兄弟姉妹の香典相場は実の兄弟姉妹への香典と変わらず、
- 20代~50代:3万円~5万円
- 60代~:5万円~10万円
となります。
なぜなら、香典は「家」単位で出すもので、個人的にではなく夫婦一緒に出すものだからです。
配偶者の実の兄弟姉妹は、自分の兄弟姉妹と同じ扱いになり、金額も変わらないのです。
祖父母・配偶者の祖父母(義理の祖父母):1万円~5万円
相場は1万円~5万円とされています。
幅広いですが、年齢別では以下のようになります。
- 20代は1万円
- 30代1万円~3万円
- 40代以上3万円~5万円
両親に生活費を払ってもらっている場合は、香典は親に出してもらい特に孫からは出しません。
しかし、働いている場合は出すこともあります。孫同士で話し合って同じ金額に決めたり、孫一同として数千円ずつ出し合ってまとめて包んだりします。
結婚している場合は孫同士でまとめて出すより夫婦として包んだ方が良いという考えの人も。家族の事情によっても変わるので、話し合いで決めるのがベストです。
包む金額は、祖父母と同居していたことがあるなど、関わりが深いほど多く包みます。
おじさん、おばさん:5000円~3万円
相場は5000円~3万円で、年齢別では以下のようになります。
- 20代は5000円~1万円
- 30代は1万円~3万円
- 40代以上は1万円~3万円
平均17000円くらいで、どの年代でも一般的に1万円包みます。それでも年代別の平均額は50代では約2万1000円、60代では約2万3000円と2倍以上になっています。
上記以外の親戚(いとこなど):5000円~3万円
いとこなど、上記以外の親戚は大体5000円~3万円が相場です。
年齢別では以下のようになります。
- 20代、30代は5000円~1万円
- 40代からは1万円~3万円程度
開きがあるように見えますが、幼いころからよく遊んでいたなど、関係が近いほど金額が高くなります。
香典の地域ごとの平均金額では、北関東では約1万7000円、九州では約8000円と約1万円の差があり、地域差が大きいのも特徴です。
親戚以外に対する香典
友人やその家族:5000円~1万円
特に親しさによりますが、友人やその家族の場合、相場は5000円~1万円となっています。
友人というよりも知人程度であったり、友人の家族と面識があまりなければ、20~30代は3000円からというデータもあります。
香典に包む金額は、多くても1万円と年代別の差はあまりありません。それでも年齢が上がるにつれて平均単価は高くなります。
特に親しいと多く包みたくなるかもしれませんが、親戚からの香典が多かったり、お祝いごとではなかったりすることから、多くても1万円に抑えることが多いようです。
一緒に葬儀に参列する予定の友人がいれば、いくら包むか相談するといいでしょう。
職場関係(取引先や同じ職場の上司・同僚・部下):5000円~1万円
取引先や上司、同僚、部下の場合、5000円~1万円が相場です。ただ、本人でなくその家族が亡くなっている場合や自分が20代の場合は、3000円からとなっているデータもあります。
職場関係では5000円が一番多く包まれていますが、『勤務先社員の家族』では平均額が約5000円に対し『取引先関係』では約7000円と少し開きがあります。
近隣関係(近所の人):3000円~1万円
近所の人が亡くなった場合、3000円~1万円が相場で、30代からは5000円からが相場となっているデータもあります。
近所付き合いが全くなければ葬儀にも呼ばれませんが、交流があった場合はその度合いによって変わってきます。
恩師(先生):3000円~1万円
学生時代にお世話になったり、卒業後にも親交があった場合、香典は3000円~1万円程度が相場です。
教え子同士で数千円ずつ出し合ってまとめて、連名で包むことも多く、その場合は一人あたり1000円~3000円のことがほとんどです。
地域ごとの香典相場
北海道 | 関東 | 関西 | 九州 | |
---|---|---|---|---|
両親 | 5万円 | 10万円 | 5万円 | 5万円 |
兄弟・姉妹 | 3万円 | 5万円 | 5万円 | 3万円 |
祖父母 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 |
おじさん おばさん | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 |
上記以外の親戚 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 5000円 |
友人 その家族 | 5000円 | 5000円 | 5000円 | 5000円 |
職場関係 | 5000円 | 5000円 | 5000円 | 5000円 |
近隣関係 | 3000円 | 5000円 | 5000円 | 3000円 |
年代別ほどはっきりとした差額はありませんが、地域でもしきたりなどにより相場が変わります。
北海道と九州では似た結果になり、ほかの地域よりも安めの香典金額です。最低賃金や物価の影響が考えられます。
大きく分けて東日本と西日本では、東日本の方が相場が高めです。というのも東日本には「通夜振る舞い」と呼ばれるしきたりがあり、通夜のあとに参列者に食事をふるまうからです。
西日本では通夜のあとは近親者のみで食事をするため、そのぶん相場も低めなのです。
知っておきたい香典のマナー
何となく聞いたことはあるけれど、合っているか不安になってしまうマナー。これを機にしっかり覚えてしまいましょう。
香典の金額・お札
香典の金額(枚数)は奇数で
- 包むお札の枚数は、1、3、5など奇数もしくは10がよしとされています。5000円、1万円、3万円といった金額が多く、中国の思想が由来となっています。
- 『死』を連想させる4、奇数でも『苦』を連想させる9は避けましょう。
新札は入れない
新札は、事前にお葬式があることを想定して準備していたかのような印象があり、マナーとしてはよくありません。
だからといって、しわだらけのお札を入れるのは受け取る方の気持ちがよくないですよね。渡してしまう前に、少しお札を見直してみましょう。
香典袋の表書き:一般的に「御霊前」でOK
厳密にいうと書き方は宗派で違うのですが、間違えてしまってもマナー違反とは見なされないことが多いといえます。
仏教(仏式)の葬儀であれば、一般的には「御霊前」と書きます。仏教にもさまざまな種類(宗派)がありますが、全てに使えるのは以下の三つです。
- 「御香典」
- 「御香料」
- 「御仏前」
一般的に「御霊前」が使えると書きましたが、実は浄土真宗では「御霊前」ではなく「御仏前」が正しいです。
葬儀がキリスト教式であれば「お花料」と書きましょう。
名前は薄墨で
香典袋(不祝儀袋)には、必ず名前を書きます。その時に、薄墨といって真っ黒というよりグレーで書くのが本来のマナーです。
亡くなった方を想って、涙で墨が薄くなってしまった様子を表すのだそうです。薄墨の筆ペンもあるので、いざというときには活用しましょう。
香典を連名で渡す場合の書き方
何人かで出し合ってまとめる場合も、きちんと一人ずつの名前を明記することが重要です。そうすることで、遺族が誰から香典をもらっているのか探す手間が省け、香典返しの際にも負担を減らせます。
表書き
3名までは封筒に名前を書くようにしますが、4名からは香典袋(不祝儀袋)の表に代表者もしくは所属部署などの名前を書きます。
中袋
- 表:中身の金額を記入
- 裏:代表者の名前と住所を記入
一筆箋
4名以上の場合、香典袋には名前が書けないので、中袋に一筆箋を入れます。右から立場が高い人の順番で氏名・住所・香典金額を書きます。
一筆箋にも書ききれないほど人数が多い場合は、氏名だけでも構いません。
香典を渡すタイミング
香典は通夜、葬式、告別式で渡します。 通夜と葬式、または告別式の両方に参列する場合は、どちらか片方で渡しましょう。
全日本冠婚葬祭互助協会のデータによると、「通夜」と「告別式」では約7:3の割合で通夜で渡す人が多いようです。
遺族の3割は香典を辞退
香典のことを書いてきましたが、葬儀の形も多様化する中で、様々な理由で香典を辞退する遺族の方が増えています。香典を辞退された場合は、渡すのは控えましょう。
エンディング・データバンクの2014年のデータによると、全体の約3割もの人が香典を辞退していることが分かりました。
もはや珍しい話ではないのかもしれません。
香典辞退には3つの主な理由が挙げられます。
- 葬儀の参列者の金銭的な負担を減らすため
- 亡くなった方と関係が深くない場合、香典の受け取りに抵抗があるため
- 香典返しが必要になり、その負担(手間)を避けたいため
スマートに香典返しを辞退する手順
香典の半額程度を香典返しとする「半返し」という習慣があります。ご遺族の負担を減らすために、香典返しを辞退することも可能です。
香典袋(不祝儀袋)に、辞退することを書いた便せんを入れるといいでしょう。一筆箋(いっぴつせん)という、縦書きの便せんに書くのが一般的です。
- 便せんの記入例
「(喪主)様
心よりお悔やみ申し上げます。誠に勝手ながら、お香典返しは辞退させて頂きます。」
※喪主(もしゅ)・・・葬儀の主催者のこと。
たとえば以下のような場合に、香典返しを辞退する人が多いです。
- 連名で少額(2000円ずつなど)出した場合、一人ずつ香典返しを受け取ると喪主の取り分がなくなる場合
- 一家の大黒柱として働いていた方が亡くなり、家庭の経済状況が苦しくなると分かっている場合
香典返しが当日渡される『当日返し』の場合
- 受付に、香典返しが不要なことを伝える
- 不祝儀袋の裏もしくは便せんに、香典返しを辞退することを書く:遺族にもしっかり伝わるように
- 会葬御礼品は香典返しとは別で、香典返しを辞退した場合でも受け取ります。
当日返しと会葬御礼品の違い
当日返しは3000円ほどの品になるのに対し、会葬御礼品は参列者全員に配られる1000円以下くらいのコンパクトなものです。たとえば会葬御礼品によく選ばれているのは、コンビニカード、ハンカチ、ボールペン、お茶などです。
香典のよくある質問
Q1. 親族の葬儀、いらないと言われた香典は持っていくべき?
A. 必要ありません
いらないと言われているのなら、香典を持っていく必要はありません。特に近い親戚の場合、香典はいらないと言われるパターンが多いです。
参列者というより遺族として見られているので、亡くなった親戚が生前お世話になっていた方や参列者に挨拶するなど、忘れないようにしましょう。
Q2. 良くしてもらった祖母の葬儀、香典は1万円でいいと言われたら?
A. 香典は1万円にして、お花を孫一同で贈ることもあります
1万円でいいと言われているのですから、それより多く包む必要はありません。
子どもや孫に負担をかけたくないという思いから、香典をいらないまたは少額でいいといわれることは多いようです。
特に関係が近ければ、1万円では物足りなく3万円は包みたいと思うかもしれません。他にも葬儀に参列する孫がいれば、以下のようにするのも一般的です。
- 相談して一律1万円払うようにする
- プラスしてお花(供花)を孫一同で贈る
香典を包むにしても供花を贈るにしても、親族に相談して孫同士で決めるのがベターでしょう。
最近では、供花をオンライン通販でも取り寄せることができ便利です。「ひとはな」は高品質な花を低価格で揃えていて、供花によく使われる蘭も受賞歴のある生産者から取り寄せられています。
アレンジメントやスタンド花など、季節の花を取り入れた供花が贈れると評判です。
公式サイト:ひとはな
Q3. 経済的に厳しいけれど香典は包むべき?
A. できれば気持ち(3000円)を包みましょう
特に自分が経済的に厳しい場合、本来金銭は包まなくてもいいのです。
葬儀の際に今のように香典として金銭を包むことが広まったのは、実は戦後のことです。もともと香典は助け合い(相互扶助)のために生まれたものです。
喪主が多くの人に食べ物をふるまうことで多大な負担を背負っていたことから、親類や近所の人など、近しい人がより多く食物など持ち寄って助け合っていたことが始まりと言われています。
現在、香典は金銭として根付いてしまっていますし、親しい仲であれば余計に参列者に対して肩身の狭い思いをしたくないと考える人も多いでしょう。個人の判断にはなりますが、できれば3000円を気持ちとして包むと無難です。
今や香典は金銭としてお葬式と切って離せないほど定着していますが、金銭になったのは最近のことだったのですね。
お葬式は亡くなった方に感謝し、気持ちよく送り出すための儀式です。遺族の方に失礼の無いよう香典のマナーを守り、少しでもその手助けができるといいですね。
Q4. 同僚の親戚の葬儀、香典はいくら包むべき?
A. もらった香典と同額、または3000円~5000円が無難です
マナーはこのようになります。
・自分の親戚の葬儀で香典を頂いた場合:同じ金額を包む
・もらったことがない場合:相場をみて3000円~5000円程度を包む
同僚の両親ではなく祖父母など、自分から関係がさらに遠くなる場合は、特に香典は包まない場合もあります。
Q5. 香典返しは香典の金額で変わる?
A. 変わらないことがほとんどです
金額がかなり違うと、変わることもあります。
▼例
・香典金額が3万円と3000円:香典返しの内容が変わることも
・香典金額が5000円と3000円:品物は変わらないことがほとんど
香典返しは、香典で包まれた分の約半額のお返しをすることになっていて、『半返し』という言葉もあるほどですが、数十万円単位の香典を包んでも香典返しは2万円~3万円程度のものになるでしょう。
そもそも香典とは、葬儀で大変な喪主をみんなで助けようというしきたりです。以前包まれた金額分だけ、次は相手側の葬儀で香典としてお返しする習慣もあるので、香典返し自体はそもそも取り入れられていないこともあるくらいです。
Q6. 親戚以外に多額の香典を包むのは失礼にあたる?
A. 失礼とまではいかないにしても、相場くらいの金額を包むことをおすすめします
重要なのは、遺族に気を遣わせないことです。
相場より多めの香典は良くないといわれる理由は、主に2つあります。
1.香典は以前いただいた金額を包む習慣がある
自分の家族・親戚などの葬儀で、同じ金額の香典を返す習慣があるので、プレッシャーに感じる人は少なくありません。多く包むとそれだけ遺族に気を遣わせてしまうことになるのです。
2.「急なことで残念」という気持ちを表している
金額が少ないことには、新札を用意しない理由と同じで「急なことだったのでショックで、とりあえず持っているお金を包んで駆けつけた」というニュアンスが含まれています。
▼例外
・一家の大黒柱が亡くなった場合
・幼い子どもを残して亡くなった場合
これらの場合は、援助の意味でも香典を多めに包んで、香典返しを辞退する方法もあります。そのような場合は、ありがたく受け取ってもらえるでしょう。
詳しくはこちら>>スマートに香典返しを辞退する方法
※参考:全日本冠婚葬祭互助協会