- 供花の平均相場は1万円~3万円で種類によって幅がある
- 供花の種類には①アレンジメントフラワー②スタンド花③花輪④枕花がある
- アレンジメントフラワーは最も手ごろ(5000円~)。省スペースかつ家に持ち帰って飾れるので近年人気
- 供花の手配は、まず会場に問い合わせて、葬儀社を通して遺族に了承を得てから
供花の相場表
まずは供花相場を確認しましょう。大きさや種類によっても異なりますが、相場は以下のようになっています。
アレンジメントフラワー | 5000円~1.5万円 |
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花輪、スタンド花 | 8000円~2.5万円 (1基あたり) |
枕花 (まくらばな) | 1万円~3万円 |
供花の平均相場は1万円~3万円程度です。
スタンド花などは、祭壇の両端に置くためにペアで贈られることがあるため、価格が高くなりがちです。
一方でアレンジメントフラワーは
- ペアで贈る必要がない
- コンパクトなサイズのものもある
という理由から、5000円程度とリーズナブルです。リーズナブルな供花を贈ることは失礼には当たりません。
供花の種類
アレンジメントフラワー:5000円~1.5万円
キリスト教式の葬儀で一般的なスタイルで、仏式や神式でも贈ることができます。バスケットなどに水を含んだスポンジなどを置いてそこに花を挿して作っていきます。
アレンジメントフラワーは省スペースで飾ることができ、葬儀の後に自宅に飾ることもできます。
花輪・スタンド花:8000円~2.5万円(1基あたり)
花輪は仏式の葬儀でのみ用いられ、スタンド花はすべての宗教で贈ることができます。会社や特定の団体などのグループで贈ることが多い供花です。
花輪を贈るときは、以下の場合があります。
- 両側に対になるよう1対(2基)で贈る場合
- 1基のみ贈る場合
以前は、1対(2基)で贈るのが一般的でしたが、近年では1基のみ贈られることも増えています。
スタンド花は1基で贈られることが多いです。
1対で贈るか、1基のみ贈るかは会場のサイズや地域の風習で判断しましょう。
特に花輪やスタンド花は大きく場所を取るため、葬儀社に前もって相談してから贈りましょう。何の相談もなく、突然大きな花輪やスタンド花が届くと、遺族に迷惑と捉えられたり受け取ってもらえなかったりします。
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祭壇や会場の大きさに合う供花を選ぶのが礼儀です。
枕花:1万円~3万円
仏式・神式・キリスト教式の全ての宗教で贈ることができます。
故人が亡くなった直後からお通夜の期間、故人の枕元を飾るために使用されるので、通夜の前までに届くよう手配するのが暗黙のルールです。
枕花とは故人の枕元に置かれる花で、葬儀会場に飾る供花とは厳密には別のものです。特に故人と親族・友人など関係が深い場合に贈ります。
枕花は、故人の霊を鎮めつつ、哀しみに暮れる遺族や関係者の心を慰めるという意味合いがあります。
枕花は、派手な色のものは避けて白を基調に淡い色の花をセレクトしましょう。畳や床に直接置くことを想定し、カゴや花器に台をつけて贈るのが一般的です。カゴや花器のデザインを故人の好みに合わせることができます。
供花の読み方と目的
葬儀の際に贈る花を供花といいます。読み方は「きょうか」もしくは「くげ」で、故人の死を悼み、霊を慰めるために贈られるものです。
葬儀・告別式の際に、祭壇の両端に花輪・スタンド花が飾られているシーンをテレビなどで見たことがある方もいるのではないでしょうか。
葬儀の際に花を贈ることがあるということを知っていても、具体的なマナーとなると知る機会があまりなかったという方もいらっしゃることと思います。
供花の価格帯、選ぶべき花の種類などのマナーを抑えておけば、突然の訃報にも対応できます。
供花の基本的なマナー
花屋さんには様々な種類のカラフルな花が販売されていますが、供花に向いている花と、葬儀にはNGな花があります。失礼がないよう、基本的なマナーと合わせて確認しておきましょう。
葬儀社を通して、遺族の了解をもらう
供花は基本的に誰でも贈ってよいものですが、事前に葬儀社を通して遺族からの了承を得ていない場合、遺族に供花を辞退されることもあります。
時々、事情があって葬儀に足を運べないという理由で、供花を遺族に連絡せずに贈ってしまうという方や、香典の代わりに供花を手配するというケースがあるので注意しましょう。
供花のサイズは祭壇・会場の大きさに合わせることになるので、解らないことや確認したいことがある場合には、葬儀社に確認しましょう。
供花の打ち合わせのために、葬儀の準備で大変な思いをしている遺族に連絡をするのは迷惑になりかねません。
供花は、いつ・誰に贈る?
供花は贈るタイミングにもマナーがあります。葬儀に贈るという特性上、タイミングが適切でなければ失礼に当たることもあります。
発注は訃報を受けてから
供花は、必ず訃報を受けてから発注します。まず会場に問い合わせ、花の種類やサイズ、日程などを打ち合わせしてから葬儀社に発注します。
花屋さんに発注することもできますが、会場のサイズや祭壇の大きさによっては供花が飾れないことがあります。さらに葬儀社によっては、見た目の統一感の問題から自社の花しか受け入れないところもあります。
訃報を受けて、慌てて直接花屋さんに連絡して失敗してしまうケースも時にあります。このようなミスを避けるためにも、まずは葬儀社に連絡をして打ち合わせをすることから初めましょう。
いつまでに発注すればいい?
- お通夜に合わせて贈る場合:お通夜の午前中までには会場に届くよう葬儀社に注文する
- 葬儀に合わせて贈る場合:葬儀の日の朝、遅くとも葬儀の5時間前には発注する
葬儀に間に合わない場合、後日、自宅に届くように手配することもできます。スタンド花ではなく、花籠タイプのものを注文しておくことで家に飾ることができます。
供花は喪主宛に贈る
故人に向けて贈るものではありますが、宛名は喪主にします。つい故人あてに贈らないようにしましょう。
宗教によって違う?ふさわしい供花
供花は生花が基本
供花には、菊やカーネーション、ユリ、デンファレなどの生花が使用され、造花・プリザーブドフラワーは使用されません。
最近の供花のスタイル
仏式・神式では菊がメイン、キリスト教式ではユリやカーネーションがメインで贈られることが多い供花ですが、最近では、トルコキキョウ、胡蝶蘭、ストックなどもよく選ばれています。
故人が生前に好きだった花を贈るというスタイルも定着しつつあります。
どんな花を贈ればいいか解らない場合、メインは一般的な花(仏式・神式では菊、キリスト教式ではユリやカーネーション)にし、故人が好きだった花をセレクトする方法もあります。
仏式
白・黄の菊が好まれます。
NGは赤い花や棘がある花で、「血液」を連想させるためといわれています。
白菊をメインにした供花が多い仏式ですが、近年では、色とりどりの花が祭壇や枕花として使用されることも多く、洋風のアレンジメントフラワーなどが会場に飾られていることも少なくありません。
地域によっては特定の花を中心に供花を贈る習慣があるので、葬儀社やフラワーショップなどに確認しましょう。
神式
基本的に供花の贈り方は仏式と変わりありません。仏式と違うのは、供花の花の種類ではランはあまり使われないことです。
キリスト教
ユリやカーネーションがよく選ばれ、白い花のみでなく色付きの花も使われます。洋風のアレンジメントフラワーを選ぶとよいでしょう。
仏式の葬儀でよく目にする花輪は、キリスト教式の葬儀では使用しません。
供花の名前の書き方
名札の書き方
一般的に、贈られた供花には贈り主の名札をつけられ、祭壇や式場に飾られます。
並び順などは主に喪主が決めますが、その際に重要なのが供花が誰から贈られたかということ。贈り主が分かるように書くのがマナーです。
個人で贈る場合
個人で供花を贈る場合には氏名を明記しましょう。この場合は、贈り主の氏名があれば十分で、会社名などを記載する必要はありません。
友人などと共同で贈る場合
複数人が共同で供花を贈るという場合には、
- 〇〇高校同級生一同
- 〇〇サークル有志一同
という表記でOK。
会社で贈る場合
会社や特定の団体名義で供花を贈る場合は、このような形が一般的です。
- 会社名+肩書き+代表者名
- 会社名+部署・所属名 一同
株式会社は(株)と略されることもあります。喪主が送り主を見て、故人との関係を判断できるよう配慮するとよりよいですね。
匿名はタブー
供花を匿名で贈るのは、喪主や遺族、葬儀社の方を惑わすことにもなりますので絶対にNGです。誰から贈られたものか分かるようにしましょう。
芳名板(ほうめいばん)
芳名板とは、供花一つ一つに名札を付けず、供花を贈った人の名前のみを一覧にして記したもののことです。
供花に名札をつけないキリスト教式の葬儀や、その他の宗教でも使用されます。
芳名板では、名前は五十音順で掲載されるケースがほとんどで、故人との関係や供花の規模には左右されません。それで供花に順列をつけないために、遺族が配慮していることもあります。
花祭壇
花祭壇とは、祭壇を花で埋め尽くす葬儀の形です。花祭壇の一部として、供花を贈ることもできます。
この場合、花を贈るのではなく供花代金という形でお金をお渡しし、そのお金が花祭壇の費用の一部に充てられます。供花代金を送った方の名前は、芳名板に掲載され、名札はつきません。
花祭壇の一部として供花を贈る場合、花は遺族の方が選ばれます。