- 結納金は100万円を目安にしておこう
- 男性側が用意するのが基本、養子の場合はその逆
- 酒肴料の相場は結納金の10%程度が一般的
- 現金をそのまま渡すのはNG、「あわじ結び」のご祝儀袋に入れて渡そう
- 関東式と関西式があるため、両家の考え方を確認して決めよう
- 時期は挙式の3~6カ月前が目安、早めの段取りと準備を心がけよう
結納金の最も一般的な金額は100万円
その中でも結納金としては定番の金額は100万円で、「一本」や「一包み」と呼ばれることもあります。
結納品の中の「御帯料」(関西では「小袖料」)に当たるものを「結納金」と呼びますが、結納金は、50万円、70万円、100万円といった上一桁が奇数の「キリのよい金額」がよいとされています。偶数は「割り切れる=別れ」をイメージさせるため、結納にはあまり好まれません。
【地域別】結納金の全国平均相場は92.5万円
地域 | 金額 |
---|---|
北海道 | 111.7万円 |
青森・秋田・岩手 | 123.3万円 |
宮城・山形・福島 | 92.0万円 |
茨城・栃木・群馬 | 55.8万円 |
埼玉・千葉・東京・神奈川 | 103.5万円 |
山梨・長野・新潟 | 84.4万円 |
石川・富山・福井 | 66.0万円 |
静岡・愛知・岐阜 | 92.0万円 |
京都・大阪・兵庫・滋賀・ 奈良・和歌山・三重 | 83.6万円 |
鳥取・島根 | 98.3万円 |
岡山・広島・山口 | 83.5万円 |
高知・香川・徳島・愛媛 | 111.6万円 |
福岡・大分・佐賀・長崎・ 熊本・宮崎・鹿児島・沖縄 | 86.7万円 |
(「結婚スタイルマガジン」トレンド調査2018より)
全国の結納金の平均相場は92.5万円。最も一般的とされている100万円に近い金額です。地域別でみると、最も高いのは北海道の111.7万円、逆に最も低いのは茨城・栃木・群馬の55.8万円でした。他の地域でも、80~110万円が平均額とされています。
結納金は男性側が用意、婿養子の場合はその逆
結納金は、女性が嫁ぐ準備をするためのお金です。一般的に男性側が全額用意し、男性側から女性側へ贈ります。
ただし、婿養子の場合は女性側から男性側に贈ります。また金額は、女性をお嫁に迎える場合の相場の2~3倍になるともいわれています。結納金の相場が100万円だとすると、200~300万円位をお包みするのが一般的です。
女性側では「接待費用」を負担するのが一般的
結納式には結納品に加え、食事会や会場費、場合によっては仲人さんへのお車代など様々な費用がかかります。
結納は、結納品を持参する男性側をねぎらい、女性側が自宅やレストラン等でおもてなしをするため、その接待費用は女性側が負担するのが一般的です。
結納金以外に発生する費用とその負担元について
酒肴料(しゅこうりょう)の相場は結納金の10%
酒肴料とは、「これから親戚付き合いをしましょう」という意味をこめて男性側が結納品に添えて贈るもので、酒・肴の現物の代わりにそれぞれお金を包みます。(九州地方では今でも酒・肴を持参する習慣があるところも。)
一般的な結納式ではこの「酒肴料」を包むのがより自然で、丁寧な印象を与えます。上記で述べた「結納金」とは別で包みます。どちらも同じ現金ですが、結納品と酒肴料をいっしょに包むのはマナー違反です。それぞれ意味合いの異なる結納品は、別々に包みましょう。
酒肴料の相場は、結納金の10%程度が一般的で、例えば結納金が100万円の場合、酒・肴料それぞれ5万円が一般的な組み合わせです。最近は金額に関係なく、酒・肴料合わせて5万円を包むケースも多くなっています。
酒料と肴料の組み合わせ例
意味 | 内訳 | ||
---|---|---|---|
5万円を包む場合 | 10万円を包む場合 | ||
酒料 | お酒を持参する代わりのお金のこと。 | 3万円 | 5万円 |
肴料 | お魚を持参する代わりのお金のこと。 | 2万円 | 5万円 |
結納金袋の正しい選び方と包み方
ご祝儀袋は「あわじ結び」の水切りを
結納金は、現金をそのまま渡すのではなく結納金袋に包んで渡しましょう。
また、結納金袋には水引が「結び切り」の変形である「あわじ結び」のご祝儀袋がふさわしいとされています。あわじ結びは、一度結ぶと解くのが難しく、両端を引くとさらに固く結ばれることが理由です。
一般的には、現金を中包みに入れたあと外包みで覆い、水引で留めます。格式の高い結納を好む方や結納金が100万円以上の場合は、桐箱に入れて贈ります。
結納金袋と丁寧に渡すためのお盆や台がセットになった「結納セット」と呼ばれるものもあるため、そちらを選ぶのもおすすめです。
表書きの正しい書き方について
袋の位置 | 内容 |
---|---|
上段 (水引より上) | 京都:帯地料 |
下段 (水引より下) | 差出人の姓(略式の場合のみ) ※目録がある場合は名前は不要 |
結納金袋に書く言葉は地域によって異なります。
例えば、「御帯料」や「小袖料」、「帯地料」などがありますが、各家の考えや地域の風習によって書くべき言葉が異なるため、事前に家族に相談するなどして、確認してから記入しましょう。
目録を用意する場合は目録に名前を記入するため、結納金袋への名前の記入は不要です。
略式で目録がない場合は、結納金袋上部に「結納料」や「寿」、下部に贈り手の名字、または「〇〇家」と記載します。
中包み(中袋)の表側には金額を訂正できない字で書き入れます。
(例:壱、弐、参、拾、萬、圓)
裏には「封」あるいは「寿」と書きます。市販の祝儀袋には、中包みに住所欄がある場合もありますが、結納金に関しては住所まで書く必要はありません。
結納金を渡す際の注意事項
結納金と酒肴料は必ず別々の金封に包もう
結納金と酒肴料は、どちらも同じ「現金」であるとはいえ、結納品と酒肴料を一緒に包むのはNGです。いずれも意味合いの異なる結納品なので、別々の袋に包むのがマナーです。
ただし、「酒料」と「肴料」を一緒の金封に包むことはOKです。
結納金の持ち運びは、必ず「ふくさ」に包む
結納金を直接手で持ち運ぶのはマナー違反です。必ず「ふくさ」と呼ばれる儀礼用の絹布に包んで持ち運びましょう。
結納金に加え、その他結納品はすべて清らかなものとして取り扱わなければなりません。結納品一式を風呂敷に包み、結納の当日に男性側が持参します。結納金は目録に入れて、結納品一式として渡すのが最も一般的です。
「忌み言葉」と呼ばれる縁起の悪い言葉はNG
「切れる」「戻る」「捨てる」「かさねがさね」といった言葉は、忌み言葉と呼ばれ、縁起の悪い言葉です。結納時の使用は不適切なため注意しましょう。口上のセリフは前もって覚えておくか、メモを見ながら進めるといいでしょう。
結納金は「新札」で早めの手配を心がけよう
結婚式や出産祝いと同じく、結納は慶事です。新たな門出を祝う、という意味も込めて、結納金は必ず新札を準備しましょう。
両家で相談して結納金の金額が決まったら、銀行の窓口で新札に交換してもらいます。銀行によっては、高額な新札を交換するのに数日要する場合があります。結納金を渡す日に間に合うよう、早めに銀行に出向くようにしましょう。
関東式と関西式って何?大きく違うしきたりや考え方
結納について、「関東式」と「関西式」があり、しきたりにも考え方にも大きな違いがあります。
関東式は「新郎新婦で同等に」、関西式は「新郎から新婦へ贈る」
関東式では、新郎新婦は「ほぼ同格」と考え、結納の品もそれに応じてほぼ同等のものが取り交わされます。結納返しの際にも、結納金の半額程度の物品を用意するのが一般的です。
一方関西式では、結納の金品は「新郎から新婦へ贈るもの」とされ、新郎側だけが用意します。結納返しにあたる持参金も、結納金の1割程度が一般的です。
まずは両家の考え方を確認しよう
例えば、新郎がが東京都出身の場合、一般的には「関東式」ですが、新婦が京都の場合、京都は「関西式」となるため、結納の考え方にも大きく食い違いが出てくる可能性があります。
後々のトラブルにならないためにも、どちらのスタイルに合わせるか、まずは両親等を交えて、両家の考えをしっかり確認しておくことをおすすめします。
結納の日取り&場所
挙式を行う3~6ヶ月前が一般的
結納を行う場合は、結婚式を挙げる3~6ヶ月前に行えるように日取りを決めましょう。また、両家の都合の良い日が週末限定であったり、「大安」「友引」「先勝」など、結婚式と同様に「六曜」を気にする家庭もあり、日取りは意外と限定されてしまうことも想定されます。両家と早めに相談し合い、スケジュールを決めておくことをおすすめします。
近年はホテルやレストランが多い
最近は、ホテル、料亭、結婚式場、レストランなど、自宅以外に会場を設けて行うことが多くなってきました。自宅で行なうのとは異なり、ゆっくりと食事をしながら両家の親睦を深めることができ、昨今人気を集めているモダンな結納のスタイルと言えます。かつては仲人が両家を行き来し、男性が女性の家を訪問し、女性宅で行うのが正式な結納でした。
分かりやすく交通の便がいい場所で、両家と仲人が集まりやすい場所を選びましょう。
お店を予約する際は、必ず結納であることを伝えておきましょう。結納品を飾る場所や席の配置、落ち着いて会話ができる個室の手配など、様々な配慮をしてもらいやすいです。
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