- 費用は1坪5000円〜。業者により設定金額は異なる
- 業者は数社で相見積もりをして比較してから選ぼう
- 「しろあり防除施工士」の資格があると安心
- 自分で駆除する方が安く済むが被害が広がることも
- シロアリ被害を見つけたら早めの駆除が大切
【業者別】シロアリ駆除の費用
業者 | 1㎡あたり | 1坪あたり | 手軽さ |
---|---|---|---|
大手企業 | 3000円 | 1万円 | 〇 |
JA | 3000円 | 1万円 | 〇 |
地方の中小企業 | 2000円 | 6666円 | 〇 |
ホームセンター | 1500円 | 5000円 | 〇 |
自分で駆除 | 使用する駆除剤により異なる | △ |
シロアリを駆除するときは、主に業者に依頼するか自分で駆除するかの2択になりますが、素人の場合は業者に依頼した方が安心です。
依頼する業者によって、費用相場が異なります。シロアリ駆除の費用は、1㎡か1坪によって単価が決まります。
大手企業
会社名 | ||||
---|---|---|---|---|
1坪あたり の価格 | 5000円 | 7260円 | 8100円 | 9720円 |
保証期間 | 5年間 | 5年間 | 5年間 | 長期保証あり |
点検 | 2年目・5年目 | 1年目・3年目 5年目 | 年に1回 | ー |
エリア | 全国 | 東京・神奈川 千葉・埼玉 茨城・栃木 | 全国 | 東京・神奈川 関東・関西 東海 |
駆除方法 | エコベイト | バリア工法 ベイト工法 | バリア工法 ベイト工法 | バリア工法 パーフェクト |
大手企業では実績もありサービスも充実しているため、料金が高くなりがちです。
シロアリ駆除を行なっている大手企業の相場は、1㎡あたり3000円で、1坪あたり5000円~1万円の料金です。高額に感じるかもしれませんが、これには駆除料金だけでなく数年間の保証が付いている場合が多いためです。坪単価の違いは、保証の内容や駆除の方法などによって異なります。
どの業者もシロアリの調査は無料で行なってもらえるため、まずは無料調査・見積もりを行なってもらうのがおすすめです。
JA(農協)
シロアリ駆除は農協でも行っています。農協に依頼した場合の金額は、大手企業に依頼した場合の金額とほぼ同じで、1坪あたり1万円程度が相場です。
1つ気をつけて欲しいのが、農協に依頼するとは言っても実際に農協がシロアリ駆除をしてくれる訳ではなく、農協と提携している下請けの害虫駆除会社が駆除を行います。農協を通している分費用が高くなり、他の業者と比べると1〜2割ほど割高になることが多いです。
とはいえ、農協は全国的に展開されているので、地元の企業という安心感が欲しい方はおすすめです。できる限り安く済ませたいと思っている方は、農協を仲介せずに直接業者に依頼することもできます。
地域の中小企業
シロアリ駆除は建築関連の会社と繋がる部分が多いため、地域の建築系の会社などでも害虫駆除を行なっているところが多くあります。地域に密着している中小企業で、駆除の知識・実績を持った会社の駆除費用相場は、1坪あたり6000〜8000円ほどです。
地域密着型の企業に依頼するポイントは、同じ地域に住んでいるため気候や土地の特色などを理解していることだと言えます。
料金は大手やJAと比べると比較的安くなるため、安心感があり安くて土地に合った駆除工事を行なって欲しい方にはおすすめです。
ホームセンター
お近くのホームセンターでシロアリ駆除を行っている場合は、依頼することも可能です。料金の相場は1坪あたり5000円ほどです。
- カインズホーム(全国)
1坪あたり5980円で駆除してもらうことができます。ここまで安い料金にも関わらず、工事費用だけでなく5年間の保証もついていてお得です。
ただし、カインズの従業員が直接施工に来るわけではなく、提携の下請け会社が駆除工事を行います。どこに頼めば良いか分からなくなってしまった場合は仲介してくれるのでおすすめです。
- グッデイ(九州地区)
1坪当たり5540円で駆除してもらうことができます。保証は5年間で、定期点検も別途契約することができます。グッデイの場合は害虫駆除のプロである「フマキラートータルシステム」という会社が施工工事を行ってくれるため安心感があります。
時期によってキャンペーンも行っており、より安くシロアリ駆除を行うこともできます。
保証期間中は定期点検に来てくれるホームセンターも多く、万が一シロアリ被害が再発していた場合は無料で再工事を行なってくれます。とにかく安い料金で業者に依頼したいと思ったら、まずはホームセンターに見積もりを依頼してみましょう。
自分で駆除する場合の費用
メリット | デメリット |
---|---|
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シロアリは、自分で駆除する方法もあります。
自分でシロアリ駆除をする場合の費用は最大でも2万円ほどなので、業者に依頼する場合と比べて圧倒的に安く済みます。
自分でシロアリ駆除する場合は、以下の道具が必要になります。
- 駆除剤:必要数
- 防塵マスク:薬剤散布に強いもの
- 防護服:全身を防護するもの
- 防護メガネ
- 手袋:強度のあるもの
全てのものをホームセンターや通販で手に入れることができるため、費用は極力安く抑えることが可能です。
費用が安く、すぐにできるメリットがあるものの、自分でやる場合は業者に依頼する場合と比べて失敗する可能性が高くなります。特に、スプレー式の薬剤を散布してしまった場合、シロアリが散ってしまい被害箇所が広がってしまう恐れがあります。また、慣れない床下にもぐりこむことでケガをしてしまうことも。
被害が悪化した後に業者に依頼すると、費用がさらにかかることになるため早めにプロに依頼することをおすすめします。
ポイント4つ!シロアリ駆除業者の選び方
数多くある駆除業者から業者を選ぶポイントは4つあります。この条件を満たしている業者を選ぶことが大切です。
シロアリ駆除を業者に依頼することのメリットは以下にあります。
- 完璧な工事でシロアリ被害を止められる
- 保証サービス付きで定期点検を受けられる
- 過去に駆除した実績が多く安心できる
業者に依頼することで費用は必要になりますが、その分確実にシロアリを駆除できます。選び方のポイント1つ1つを詳しく説明していきます。
過去の駆除実績
まず過去の駆除実績ですが、駆除実績が多ければ多いほど良い業者と言えるでしょう。もし友人や隣人でシロアリ駆除を依頼したことのある方がいれば、依頼した業者を聞いてみると良いかもしれません。
さらに、会社の歴史が長いことなどを考慮すると、シロアリ駆除の実力があるかどうかの判断基準になると思います。害虫駆除の大手企業だと、過去に50万件以上の駆除実績を持っている所もあるので、口コミなども参考にして業者を探してみると良いでしょう。
相見積もりをする
シロアリ駆除の業者を決めてしまう前に、被害の現状把握をしてどれほどの料金で駆除ができるのかを知るために、複数の会社に見積もりを出してもらいましょう。
その際、見積もりの明細を見せてもらい、どの作業にいくら費用がかかっているのかしっかり確認しましょう。相見積もりを行うことで、平均の金額を理解でき、業者の対応の違いなども比較することができます。
逆に言えば、明細を見せようとしない業者は悪徳業者の可能性があるため注意しましょう。明細をきちんと確認した後で、業者を選ぶのがポイントです。
資格を持っているか
シロアリ駆除には「しろあり防除施工士」という資格があり、公益社団法人日本しろあり対策協会の仕様に基づいた施工方法というものがあります。
この資格を持っている業者は優良業者として認定されているので、駆除を依頼する業者を選ぶときは資格を持っているかどうかで判断することも可能です。
ホームページなどに資格を保持しているかどうか書いてある業者もいますし、確認できなければ電話や見積もりの際に聞いてみることをおすすめします。
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駆除後の保証サービス
駆除を行った後の保証サービスがあるかどうかで、業者を選ぶこともできます。
保証サービスとは、駆除工事を行ってから数年間に渡って、シロアリ被害が再発した時に無料で再工事を行うサービスのことです。保証サービスをつけていると、1年ごとや奇数年ごとに定期点検を行ってくれ、より長い間シロアリから守ってくれます。
シロアリ駆除の際にシロアリが苦手な薬剤を塗るのが一般的ですが、薬剤が薄くなってくるとまたシロアリが来る可能性もあります。駆除する際は保証サービスをつけた方が良いでしょう。
見積金額の違いが出るポイント
シロアリを駆除する際に見積金額の違いが出るポイントが5つあります。ゴキブリやネズミなどの害虫駆除は主に駆除面積の広さによって料金が変わりますが、シロアリ駆除の場合は少し異なります。
▼見積金額が変わるポイント5つ
- 駆除工法の違い
ベイト工法orエリア工法 - 建物の構造
床下のスペースの有無 - シロアリの種類
イエシロアリ・ヤマトシロアリ・アメリカカンザイシロアリ - シロアリ被害の程度
範囲の広さ - オプション追加工事
再度侵入を予防する為の工事
駆除工法の違い
駆除工法 | バリア工法 | ベイト工法 |
---|---|---|
1坪あたり | 2500円~ | 4000円~ |
実施方法 | 床下・柱・土壌へ直接 | 家の外周に駆除剤入りの を配置して巣ごと駆除 |
施工期間 | 1日 | 数か月 |
シロアリを駆除する方法は、2つあります。
バリア工法
バリア工法は昔から行われており、床下の木材や土壌に駆除剤を散布して、地面からシロアリが侵入するのを防ぐ方法です。
ベイト工法
ベイト工法は、家屋の周りに駆除用の毒の入った餌を埋めて、それを巣に運ばせ巣にいる仲間も駆除し巣ごと根絶させる方法です。費用はベイト工法の方が高額になります。ベイト工法だと、効果を見ながら定期的に餌を埋め、根絶させるまで続けるためです。
ベイト工法で使われる毒は脱皮阻害剤と呼ばれるもので、シロアリが脱皮できずに死んでしまう毒のことです。脱皮しない動物である人間やペットの犬・猫などが口にしても無害なので、動物を買っているのであればベイト工法がおすすめです。
建物の構造
建物の構造により、見積金額が変わるポイントがあります。
- 床下に潜り込むスペースはあるか
- 床下の敷地全てに入り込めるか
- 風呂場がタイル張りか
- 木材の材質
- 基礎断熱がなされているのか
床下に入り込めるスペースがなければ、駆除工事を行うことが難しくなるため、入り込むための穴を開けるなどの工事費が追加されることになります。
シロアリは湿気を好むため水回りにいることが多く、風呂場がタイル張りだと工事の手間がかかるため高くなるのが一般的です。
基礎などに使われている木材の材質や、基礎断熱がなされているかどうかによっても費用は変わります。
▼代表的な木材の防蟻性
- 強:ヒバ・マキ・カヤ・ベニヒ・タイワンスギなど
- 中:ヒノキ・ツガ・クリ・スギ・クスノキ・ケヤキ・米ヒバなど
- 弱:モミ・マツ・米スギ・米マツ・米ツガ・ブナなど
シロアリの種類
シロアリの主な特徴は粒上の節が連なる触覚で、胴体が棒状でくびれがありません。色も白っぽかったり茶褐色で黒アリとは異なります。
日本の住宅で被害の多いシロアリは、3種類です。
- イエシロアリ
- ヤマトシロアリ
- アメリカカンザイシロアリ
イエシロアリ
兵アリの頭の形が卵型をしており、羽アリは茶褐色です。本州の西側の沿岸地域から四国・九州・沖縄に多く生息します。
地中に巨大な巣をつくり、家全体が被害を受けます。被害のスピードが異常に早く、素早い駆除対策が必要になります。駆除工事が遅れれば遅れるほど被害が進んでいくため、なるべく早く駆除してください。
ヤマトシロアリ
兵アリの頭の形が大きく長方形で、羽アリは黒っぽいです。寒冷地を除く日本中のほぼ全域に生息しており、多くはこのヤマトシロアリによる被害になります。土の中・湿った木材の中などを好み床下に被害が出ます。
臆病で逃げやすいという特徴があるため、一気に駆除できなければ被害箇所を広げることになりがちです。自分で駆除を行う場合の参考にしてみてください。
アメリカカンザイシロアリ
他の2種と比べて茶色や赤い色をしているのが特徴です。兵アリの頭の形が四角形で体長が大きくヤマトシロアリの2倍ほど。関東・関西・九州と各地で発見されているが、主な生息地はまだ分かっておらず注意が必要。
土の中に巣を作らず食害した木材に住むため、発見が非常に難しいうえ被害は家全体に及びます。
シロアリ被害の程度
被害の程度によっても費用が異なります。
家の支えとなる大きな柱が食いつぶされていたり、家全体まで被害が及んでいたりすると、駆除剤の量や人件費がかさみ費用は高くなっていきます。あまりに被害が大きい場合、業者に依頼を断られることもあることに注意しましょう。
住人に見えないところで活動するシロアリのため、被害はどんどん広がっていきます。目に見えるところまで被害に遭ってからでないと気付けない場合も多いです。定期的に床下をチェックし、被害にいち早く気付けるようにしておきましょう。
オプション追加工事
オプションサービス | 1坪当たりの費用 |
---|---|
調湿剤 | 1万5000円 |
防カビシート | 1万円 |
床下点検口設置 | 3万5000円 |
床下換気扇 | 5万円 |
業者により各費用は異なりますが、追加のオプション工事にも費用がかかります。
シロアリは、湿気が高くジメジメとした場所を好むため、湿気を調整する調湿剤や床下換気扇をつけることで乾燥させシロアリの侵入を防止することができます。
被害に遭ってから業者に依頼してシロアリを駆除することができたとしても、またシロアリに侵入されてしまっては意味がありません。侵入防止策として追加工事を行い予防することも大切です。
シロアリ駆除の費用を安く抑える方法
シロアリ駆除を最も安く済ませる方法は、自分で駆除することです。しかし、自分で駆除しようとしてさらに被害が悪化してしまうことも多いため、確実にシロアリを駆除するなら業者に依頼することをおすすめします。
ここから紹介するシロアリ駆除の費用を安く抑える方法は、業者に依頼する場合の方法です。
複数の業者に見積もりを依頼する
最も効果的にシロアリ駆除の費用を安く抑える方法は、地元の企業・大手企業・ホームセンターなど複数の業者に見積もり依頼をして、1番安い業者に依頼をする方法です。
数社に見積もりをしてもらうことで平均金額がわかりますし、安い業者を知ることもできます。最低でも3社くらいに見積もり依頼をして、その中から選ぶようにしましょう。
ただし、安すぎる業者だと使用する薬剤が弱いものだったり適切な処理を行ってもらえないような悪質業者である可能性もあります。作業工程や使用する薬剤のことなどをしっかりと確認しておきましょう。
なるべく早く駆除してもらう
シロアリによる被害は、こうしている間にも進んでいます。
家の木をどんどんかじられて、家が壊されています。特に、イエシロアリの場合は加害のスピードが早いので、イエシロアリであることが判明したらいますぐに駆除してもらいましょう。
駆除のスピードが遅れれば遅れるほど被害が大きくなってしまい、最悪の場合業者でも駆除しきれなくなる可能性があります。駆除のみでは対処しきれなければ、建て替えやリフォームなどの選択肢しかなくなり、かかる費用はどんどん増えていきます。
定期的な床下のチェックを行い、被害に気付いたらできる限り早く駆除工事を行なった方が費用はかからず、安心して住み続けることができます。