- 相手との血縁関係、親交の深さ、進学先によって金額は変わる
- 親戚の場合は1万円前後が目安
- 友人・知人なら親しい場合に限り贈る
- 入学祝いのお返しは基本的に必要ない
- 地域や家庭の慣習・ルールを最優先する
入学祝いの相場表
贈る相手 | 小学校へ進学 | 中学校へ進学 | 高校へ進学 | 大学・短大・専門学校へ進学 |
---|---|---|---|---|
孫 | 1万円~5万円 | 3万円~10万円 | 3万円~10万円 | 3万円~30万円 |
甥・姪(親戚) | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 | 1万円~3万円 | 1万円~5万円 |
友人・知人の 子ども | 3000円~5000円 | 3000円~5000円 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 |
会社関係の 子ども | 5000円以内の範囲で現金でなく物品をプレゼント |
入学祝いを送る際のポイント3つ
入学祝いで渡す金額に影響する要素は3つあります。
- 贈る相手との関係
- 贈る相手との付き合いの深さ
- 贈る相手の進学先
ここでいう入学祝いを贈る相手は、親御さんではなく新入生自身を指します。
贈る相手との関係
入学祝いを渡す相手との血縁関係が近いほど金額は高額になります。この点でいえば、最も高額の入学祝いを渡すのは祖父母にあたる人となるでしょう。一般的には、入学祝いを渡すべき相手となるのは自分から見て3親等までが目安。これにあたるのは、孫やひ孫、甥・姪となります。4親等となるいとこまでとなると渡す義務はないでしょう。友人や知人であれば基本的に入学祝いは必要ありません。
贈る相手との付き合いの深さ
日頃からどれだけ親睦があるかも、入学祝いを渡すべきかどうか、そしていくら包むかに影響します。普段親しくしている相手なら、血縁関係にかかわらずお祝いの気持ちを伝えたい場合に入学祝いを贈ることは問題ありません。その際は、近親者の金額を超えない範囲で検討するとよいでしょう。
贈る相手の進学先
相手の進学先が小学校よりも中学校、中学校よりも高校の方が入学祝いは高額となる傾向にあります。年齢に見合った額を渡すという意味合いもありますが、進学するほど必要な学用品や費用が増えるというのも理由の1つです。
贈る相手別の金額相場
孫
お孫さんは、入学祝いを渡す相手としては血縁上最も近しい存在となります。入学祝いは率先して渡したい相手ですね。孫へ入学祝いの金額相場は以下のとおりです。
- 小学校:1万円~5万円
- 中学校:3万円~10万円
- 高校:3万円~10万円
- 大学、短大、専門学校:3万円~30万円
上限額の幅が広いですが、これは祖父母が進学の準備費用を一部負担するケースが多く、それに伴う金額を含んでいるためです。小学校ならランドセル、中高なら制服やクラブ活動で使用する道具、大学以降の進学なら家電製品や日用品など一人暮らしの費用といった費用を工面した場合の金額と考えてください。お小遣いとしての入学祝いなら1万円~3万円程度が相場です。
親戚(甥や姪)
親戚への入学祝いについては、遠縁である場合や普段親交がない場合は贈らなくても問題ありません。一方、近親にあたる甥や姪には贈るのが一般的です。甥・姪の親以外に兄弟がいる場合、つまりご自身が3人兄弟以上であれば、同じ金額で足並みを揃えておいた方が後々トラブルになりません。あらかじめ相談しておくと良いでしょう。金額としては以下を目安にしてください。
- 小学校:5000円~1万円
- 中学校:5000円~1万円
- 高校:1万円~3万円
- 大学、短大、専門学校:1万円~5万円
全体として、1万円前後が平均的な価格となります。合格祝いを兼ねるのであれば2~3万円というケースもあります。学用品を贈るのも良いでしょう。すでに用意した物品が重ならないよう、相手の親御さんを含めた兄弟で相談しておくとベターです。
友人・知人の子ども
親戚関係でない友人や知人のお子さんの場合は、よほど親しくない限り、入学祝いを贈らなくても失礼にはあたりません。少々親交があるからといって一度贈ってしまうと、広い範囲の相手に贈らなければなりません。当然出費がかさみますし、状況が同じなのに贈る相手と贈らない相手が生まれると友好関係に悪影響を及ぼす可能性もあります。知人・友人への入学祝いはよく考えた方が良いでしょう。とはいえ、以前贈られたことのある相手ならば送り返すのがマナーです。金額の目安としては以下のとおりです。
- 小学校:3000円~5000円
- 中学校:3000円~5000円
- 高校:5000円~1万円
- 大学、短大、専門学校:5000円~1万円
親族より高額にすると印象が良くありません。控え目の金額にしておく方が無難です。
会社関係
上司の子どもへの入学祝いは必要?
普段からプライベートでの親交があって、お子さんとも面識があるなら贈っておく方が良いでしょう。仕事以上のつながりがないなら無理に贈る必要はありません。現金よりも物品や商品券、図書カードなどの方が良いでしょう。金額は5000円以下が目安です。
同僚、部下の子どもの入学祝い
入学の話を聞いたら、日用品や学用品を贈ってあげると喜ばれるでしょう。こちらも5000円程度が目安です。好みがわからなければ消耗品やギフトカードなどが良いでしょう。
入学祝いの渡し方
入学祝いは、内容だけでなく渡すタイミングやシチュエーションでも相手への印象が変わります。マナーに沿った渡し方を心がけましょう。
時期
入学式の直前は準備で忙しくなるので避けましょう。入学式の2~3週間前ごろがベストタイミングです。遅くても1週間前には渡すようにしましょう。高校や大学などは、合格の連絡をもらったらすぐに用意すると良いです。もし、入学式の後になってしまった場合はゴールデンウィーク頃までには大丈夫ですが、一筆添えるようにしましょう。
袋・のしの選び方と表書き
現金の場合は、花結び(蝶結び)のご祝儀袋を使います。プレゼントの場合も、紅白の蝶結びの水引がついたのし紙を使うようにしてください。表書きは、上部分に御祝を表す旨を書きます
- 御入学(入園)祝
- 祝御入学(入園)
- 御祝
- 祝合格
などが良いでしょう。下の部分にはご自身(差出人)の名前を書いてください。
1万円を超える場合は、御祝から差出人の名前まで直筆で書くようにします。少額であれば印刷されたものでも構いません。ご祝儀の場合、中袋の表に住所・氏名、裏に金額を書きます。お札は人物の顔を中袋の表側に向けるようにして、揃えて入れるのがマナーです。折り目やしわが多いと失礼にあたるので、できる限り新札で用意しましょう。新札は銀行の両替で入手可能です。
渡し方
贈る相手が近くに住んでいれば、事前に相手宅に連絡し、相手宅に出向いて渡します。卒園式や卒業式が終わったあとのタイミングで渡すと時期的にもベストです。お祝いのパーティなどに招かれている場合は、その際に渡すのも良いでしょう。相手方が遠方に住んでいる場合は現金書留でも構いません。お祝い状を添えるようにしましょう。
入学祝いで避けるべき数字
入学祝いの金額については、「4」と「9」を避けるのが一般的です。「4」は「死」、「9」は「苦」を連想させる数字だからです。物品をプレゼントする際も、金額が明確にわかるものについては、4と9を避けた方が無難でしょう。
現金以外のおすすめのプレゼント
現金を渡すのには少し抵抗がある、おすすめの品があるという場合には、なにかプレゼントを送るのが良いでしょう。記念品より学校生活に生かせる実用品が喜ばれます。プレゼントを贈るときは、以下のものは避けるようにしましょう。
- すでに持っているもの
- 校則などで使用できないもの
- 趣味・嗜好が大きく影響するもの
特に高額なものは祖父母など近しい人がプレゼントするケースが多いので、近しい親族でない場合は控えた方が無難です。親御さんと事前に話し合うか、難しいなら商品券など使い道の幅が広いもの、文房具などの消耗品が確実でしょう。
幼稚園の入学祝いに人気のプレゼント
日用品や絵本・図鑑などが喜ばれます。園内では、お弁当箱や鉛筆など持ち物すべてに名前をつけておくことが義務づけられることが多いので、簡単に名前を捺せるスタンプセットが人気です。
- 名前スタンプセット
- 鉛筆、クレヨン
- タオル
- ハンカチ
- 長靴
- 通園カバン
- 絵本
- 図鑑
小学校の入学祝いに人気のプレゼント
本格的に勉強が始まるため、図書カードや鉛筆、ノートなどの文房具がおすすめです。目覚まし時計などもちょうど良い価格帯になるでしょう。
- ランドセル、通学カバン
- 学習机
- 商品券、図書カード
- 地球儀
- ネーム入り鉛筆
- ノート
- 目覚まし時計
- 洋服(指定の場合は制服)
- 靴下
- ハンカチ
中学校の入学祝いに人気のプレゼント
クラブ活動が始まるので、そこで使う道具を贈ってあげると良いでしょう。授業で使う辞書も揃えると安くありませんので、一部をまかなってあげると喜ばれるかもしれません。
- 制服
- 自転車
- 腕時計
- 辞書、電子辞書
- 部活やクラブ活動で使う道具
- 通学カバン、リュックサック
- 商品券・図書カード
高校の入学祝いに人気のプレゼント
高校に入ると、より行動範囲が広がります。趣味・嗜好も個人差が大きくなるため、好みが分からなければ使い道の広いギフトが良いでしょう。大学受験を予定している場合は図書カードも喜ばれます。
- 音楽プレーヤー
- 携帯電話・スマホ
- 部活やクラブ活動で使う道具
- 財布
- キーケース
- 定期入れ
- 図書カード・商品券
大学、短大、専門学校の入学祝いに人気のプレゼント
一人暮らしを始めるので役に立つものが喜ばれます。相手との関係に合わせた値段に見合うものを贈ると良いでしょう。
- スーツ
- 財布
- 腕時計
- バッグ
- キーケース
- パソコン
- 商品券
- 家具
- 家電製品
入学祝いのお返しは必要?
入学祝いをいただいた場合、基本的にお返しをしなくても失礼にはあたりません。贈られるのはあくまで親ではなく子どもであり、収入のない学生がお返しをする必要はないからです。ただし、地域によっては慣習として「入学内祝い」としてお返しをした方がよいこともあります。
※内祝い:身内の祝い事を周囲の人と分かち合うためにする贈り物
入学内祝いの金額
内祝いの金額は、入学祝いの3分の1から半額程度が目安です。高すぎると相手に気を遣わせてしまうので注意しましょう。物品の場合は価格相場から計算します。
お金以外で贈るなら
特に入学祝いをいただいた相手が高齢の方の場合、現金よりカタログギフトや物品の方が好まれます。相手の年代や趣味・嗜好などを考えて贈るようにしましょう。
- 商品券、クオカード
- カタログギフト
- お菓子、スイーツ
- 紅茶、コーヒー
- 洗剤や入浴剤など日用品
入学内祝いの表書き
基本的には入学祝いと同じです。水引は紅白の蝶結びを使用します。表書きには、「内祝」「入学内祝」などと書くと良いでしょう。差出人には、親の名前ではなく受け取った本人である新入生の名前を書くようにします。
入学内祝いを贈る時期と作法
入学内祝いは入学式が終わってから1ヶ月以内が目安です。ただし、内祝いを贈る場合でも入学祝いを頂いたらできるだけ早く電話か手紙でお礼を伝えるようにしましょう。親だけでなく本人から直接感謝の意思を伝えるのがマナーです。
幼稚園・保育園の入園祝いはあげるべき?
一般的に、義務教育外の入園・入学祝いについてはお祝い金を渡す必要はないとされています。したがって、幼稚園や保育園の入学祝いについては特に渡す必要はないでしょう。とはいえ、お祝いの気持ちを表したいなら我慢する必要はありません。現金を贈ることに抵抗がある場合は、学用品や日用品などの物品をプレゼントしても良いでしょう。
なお、義務教育外ではありますが、試験の合格祝いが伴う大学や短大への進学は入学祝いを渡すのが一般的です。
最も大切なのは「気を遣わせない」こと
入学祝いにいくら包むか、あるいは何をプレゼントするかを考える時は、贈る相手、厳密には親御さんに気を遣わせないことが最も大切です。たとえば、まだ収入の少ない20代の人が高額の入学祝いをプレゼントすると、「無理をさせてしまったかも」と相手の重荷になってしまいます。また、近親者よりも高額の入学祝いを贈ると親族のメンツを潰してしまいかねません。金額を決めるときは、自身と相手の状況を念頭に置いて考えましょう。
地域の慣習やハウスルールを優先
入学祝いを贈る範囲や金額、渡し方などについて説明しましたが、これらはあくまで目安です。お祝い事は、地域による慣習や家庭でのルールなどによって正しい作法が大きく異なります。目安はあくまで基礎的な知識として、お住まいの地域や相手のご家庭のル-ルをしっかりとリサーチしましょう。それが相手のことを真摯に考えたお祝いとなるのです。